I: ここのところ戦争による避難民がやってきている. Egon: また人間は度し難いという話かな.君達はうさぎのように生きるべきだ.または賢いイルカのように生きればいい. I: もちろん原因を考えると度し難い.もともとの原因を作った人間達は遠くで知らんぷりだ.今日はしかし私とのかかわりを考えた. Egon: 君が避難民に何かできるのか. I: この国にとって避難民は大きなチャンスであり,また大きな危険でもある.この国は高齢化が進み,人口は減少している.80 万人の避難民がもしこの国の力となるのなら,これほどのチャンスはない.彼らが産業界の労働力となり,知識の拡大に貢献し,税金,年金,医療保険を払うことができたらどれほどの利益となるか.しかし一方,負担になれば大変だ. Egon: 人間は愚かだから必ずへまをする.へまをするとわかっていてもへまをする. I: 私は思ったんだ.これは子どもの教育に似ている.子どもの教育はとてつもない可能性だ.しかし,それを愛を持って行なわなければひどいことになる.私は子ども達に週に2時間算数を教えて,実は癒やされている.友達の子どもの世話をするのも実は楽しい.まあ,それは月に何日かだけだからかもしれないが. Egon: そして,うさぎと会話をするようになった.大丈夫かね.君に算数を教わっているという子ども達が心配だ. I: 実は私はこの国の人達が好きなんだ.もしかしたら国はどうでもよくて,多分人間一般が. Egon: それはなかなか人間としては変わっているようだね. I: 私は避難民の子ども達に算数を教えてみたい.もし需要があるのなら,私のドイツ語や英語でよければ教えてみたい.彼らの考えを学んでみたい. Egon: それが君のアイデアか.どれだけのことができそうかね.こういうことはあんまり無理をして続かなければ仕方ない. I: 1週間に2時間程度かな. Egon: ふーん.大きなことを言うわりにはそんなものか. I: それなら今までも続けてこれたし,これからもできるだろう. Egon: ... I: 大きなチャンスというのは,大きな失敗にもなる.子どもの教育にはもっと時間がある.でも,多分2年後にこの国の人達が外国人を嫌う傾向になるか,それともその逆か.多分今が重要な時だ. ...