Skip to main content

Posts

Showing posts from May, 2015

昔ながらのおもちゃはどこに?

I'm looking for an old school toy.

ドイツにおける機会不均等(差別)の扱い (8)

第7節 例 第7.1節 私が仕事をしている会社の場合 私が仕事をしている会社には,差別問題のコードがある (差別は禁止されている).問題があればそれを会社に報告することができ,そのための情報が提供されている. 私がドイツで会社へのインタビューを受けた時には,会社側は表向きには国籍を尋ねることができなかった.しかし,ドイツでの就労許可が取れるのかという形でパスポートに関する情報を尋ねることは可能なようである. 第7.2節 労使協議会での最近のニュース記事例 差別は罪であるために,差別問題が差別という形でそのままでることは少なく,状況に大きく依存するケースが大半である.差別ということであれば,市民はその罪を警察に届ける義務がある.会社内部で差別を見過すことは懲戒処分になる可能性がある. 最近の一例としては,労使協議会で他を公に侮辱した場合の顛末の記事がある.Spiegel online の記事で,Verfahren zur Amtsenthebung: Daimler-Betriebsratsmitglied applaudiert Pariser Attentätern (告発: ダイムラーの労使協議会メンバーがパリのテロ事件を賞賛) [1] .労使協議会は従業員の立場を保護するかそうでないかを選択する必要がある場合がある.シュピーゲル・オンラインの記事によると,今回問題となった人物は,労使協議会の役員メンバーであり,会社側が他の従業員よりも簡単に辞職させることができない地位にある人物である.その人物が,ソーシャルメディアで,「Jeder Mensch zahlt fürseine Taten! Fuck Charlie Hebdo (誰もが自分のしたことには責任を持つべきだ!シャルリー・エブドの畜生)」という書き込みを行なったことが問題となった.彼はこの公の書き込みの責任をとらされて,労使協議会のメンバーから外された.(会社には残れたようであるが詳細は不明) 第7.3節 差別となる場合の例 会社の仕事の面接で「あなたは妊娠していますか?」「あなたの妻(夫)の仕事は何ですか?」など,仕事に関係ないことであれば,性別,妊娠の有無,年齢,国籍,家族,障害などについて尋ねることは違法である.これは米国の雇用機会均等委員会 [2] の定めるこ

ドイツにおける機会不均等(差別)の扱い (7)

第6節 大学での機会不均等問題の扱い 各大学は差別問題の扱いに責任を持つ多様性マネージャー (diversity manager)を持つ.何人のマネージャーがいるかは大学の大きさによって決まる.大きな大学にはフルタイムのポジションがあり,小さな大学ではそのポジションがパートタイムの場合がある.どのような場合であっても,それに対する給料が支払われるポジションとなっている. 例えば,ドレスデン工科大学は比較的小さな大きさの大学であるが, [1] には機会不均等問題に対する情報と問題に対処する責任者へのコンタクトのための情報が表示されている.フンボルト大学はドイツ内部では大きな大学であり,機会不均等の問題を扱う事務所が設置されている [2] . 参考文献 TU Dresden, Gender Equality, https://tu-dresden.de/die_tu_dresden/gremien_und_beauftragte/beauftragte/gleichstellung/chancengleichheit/index_html , (Online; accessed 2015-4-3(Fri)) Humboldt Universität zu Berlin, Die zentrale Frauenbeauftragte, http://gremien.hu-berlin.de/de/frb , (Online; accessed 2015-4-3(Fri))

ドイツにおける機会不均等(差別)の扱い (6)

第5.1節 労使協議会 (Betriebsrat) ドイツの会社内部では労使協議会(Betriebsrat [1] )を設立することができ,もし設立されていればこれが従業員の機会不均等問題を扱うことができる.労使協議会は会社内部の組織である.それは従業員による従業員達の代表でもある.しかしこれは労働組合ではない (労働組合にあるストライキなどの強い権利などはないが,ある種の権力は有している).労使協議会は,会社の経営者側との対立ではなく,協力を基礎にして労働環境を改善することを目的としている.それはまた会社の経営者にとっても利益となるべきことを目指している.例えばオフィスの環境が向上することによる作業効率の向上,働きやすい環境を提供することでより有用な人材を得られること,才能ある人々の離職を防ぐなどが上げられる. 労使協議会の第一の目的は従業員の支援と保護である.そのため,経営者側からの差別問題を扱うこともできる.しかし,差別問題を従業員側が起こした場合(従業員の一人がヘイトスピーチを行うなど),労使協議会は対象となる従業員の保護を続けるかどうかを状況に応じて選択することになる. 第5.2節 労働組合 (Gewerkschaft) 労働組合 (Gewerkschaft) は組合によって代表され,組合によって給料が支払われる組織である.したがってこれは個々の企業に代表されるものではない.組合は業種によって分類されることがあり,いくつもの同業の会社に渡って活動をする.労働組合はプロアクティブに(対処療法ではなく,問題が起きる前から)機会不均等問題を扱う.たとえば,雇用の性差別問題などである.ドイツには複数の労働組合がある [2] (例としては,ver.di, IG Metal,など,Wikipedia の該当するページを参照のこと). 労働組合は人種差別に反対するポリシーを定めており,あらゆる機会不均等問題を扱う.会社の従業員が組合のメンバーであれば,通常労働組合は会社側から提供される情報へのアクセスもできる. 参考文献 Wikipedia de, Betriebsrat, https://de.wikipedia.org/wiki/Betriebsrat , (Online; accessed 2015-4-2(Thu)) Wikip

ドイツにおける機会不均等(差別)の扱い (5)

第5節: 会社での機会不均等問題の扱い ドイツの会社内部では,障害者代理者(Behindertenvertrater)が障害者についてのあらゆる種類の機会不均等問題を取り扱う.法でこれが必要とされるのは5人以上の障害者を雇用している全ての会社である.(ドイツ社会規範法,第5章,94節:Sozialgesetzbuch, Kapital 5, Section 94 Wahl und Amtszeit der Schwerbehindertenvertretung [1] ). ドイツ連邦政府には障害者のための機会均等省 (Die Beauftragte der Bundesregierung für die Belange behinderter Menschen [2] ) が設置されている.この省は障害者の機会不均等問題だけではなく,あらゆる種類の機会不均等(差別)問題を扱う. 報告者が調べた限りでは政府の認可のない,会社の機会不均等問題を扱う公式な第三者組織はないようである.1つの理由としては,そのような組織には会社内部の情報にアクセスする方法がないからであろうということであった.なぜなら,会社内部での地位,給料に関する機会不均等がある場合,それらの情報にアクセスすることがなければ有効な対策が打てないからである.(ただし,これについてはさらに調査すべき) 家庭,高齢者,女性と若者に関する連邦省 (Bundesministerium für Familie, Senioren, Frauen und Jugend [3] ) は家族のサポートに関して責任を持つ.しかし,これは性差別による給料の不均等問題などにも関与する省である.したがって,この省も機会不均等問題を扱う. 会社内部における機会不均等問題を扱う組織としては大きく労使協議会(Betriebsrat)と労働組合 (Gewerkschaft) がある. 本報告ではこれまでのところ,これらの省庁間の連携や対処する問題がどのように異なるかについての調査は不十分である. 参考文献 Bundesministerium der Justiz und für Verbraucherschutz, Sozialgesetzbuch (SGB) Neuntes Buch (IX) - Re

ドイツにおける機会不均等(差別)の扱い (4)

第4節: 機会不均等問題の一般的な扱い 一般に差別をみつけたら常に何らかの証拠か目撃者を伴って警察に届ける必要がある.もし YouTube 上でそれをみつけた場合にも同様に警察へと報告する. もし誰かが差別を公の場で述べた場合には,その人を告訴することができる.そして,検察官または裁判官 (Staatsanwaltschaft [1] ) はそれを処理しなくてはならない. 次の引用はドイツ語の Wikipedia の「地方レベルにおける男女間の機会均等のノルトライン=ヴェストファーレン州の地方自治体法での例 [2] 」についてである. 男女間の平等という憲法的な仕事を実体化することはまた街と自治体の使命である.この仕事を実行するため,自治体は機会均等のための役員を雇用することができる.この変更により,自分達の責任をもって,この憲法的な要求を実装するため,1984年にノルトライン・ウェストファーレン州に自治体当局が呼び集められ,自治体当局らは自治体の機会均等役員を雇用した.1994年の10月にノルトライン・ウェストファーレン州の自治体の法律が改正された後,10,000人以上の住民のいる全ての自治体と,全ての関連する当事者らはフルタイムの機会均等役員を雇用する義務を負うことになった.(以下略) この例は 10,000 人以上の住民のいる自治体には必ず機会均等を扱う専門のフルタイムの役人が雇われる必要があることを定めている. References Wikipedia de, Staatsanwaltschaft (Prosecutor), https://de.wikipedia.org/wiki/Staatsanwaltschaft , (Online; accessed 2015-4-2(Thu)) Wikipedia de, Gleichstellungsbeauftragte, https://de.wikipedia.org/wiki/Gleichstellungsbeauftragte , (Online; accessed 2015-4-2(Thu))

ドイツにおける機会不均等(差別)の扱い (3)

第3節: 歴史的背景  ヨーロッパでは差別問題は女性開放の動き(Frauenbewegung auftrag)としてはじまった [1] .そして後に機会均等への運動(Gleichstellungsbeauftragte)へと拡大していく.したがってこれは男女間の差別問題としてはじまり,あらゆる種類の差別問題として拡大していった 多様性について早いうちから対応していた会社には IBM がある [2] .IBM は米国で機会均等法が制定される(1965)以前から雇用に機会均等を打ち出していた (1900 前後,当時 IBM はまだなく,IBMの前身の会社において既に始まっていた). 参考: 表現の自由は悪用することで人間の尊厳を犯す場合がある.第二次大戦後,新聞社など公に発言する媒体はあらゆるものから独立すべきであることが定められた(表現の自由).これは,ドイツ基本法第5条 [3] にある. 参考文献 Wikipedia de, Frauenbewegung, http://de.wikipedia.org/wiki/Frauenbewegung , (Online; accessed 2015-4-2(Thu)) IBM, Diversity and Inclusion, http://www-03.ibm.com/employment/us/diverse/index.shtml , http://www-06.ibm.com/jp/employment/jp/life/modus/diversity.shtml , (Online; accessed 2015-4-2(Thu)) Bundesministerium der Justiz und für Verbraucherschutz, Basic Law for the Federal Republic of Germany, English translation version, http://www.gesetze-im-internet.de/englisch_gg/englisch_gg.html , (Online; accessed 2015-4-2(Thu))