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Showing posts from May, 2013

私は教育がほぼ唯一世界を良くする可能性と信じています.一緒にやりませんか.

この手紙は,先日私が以前一緒に東北大震災の津波の募金活動をした友人に送ったものです. 皆さん. おげんきですか.長いことお会いしていませんね. 私は今出も東北の津波の被害の人達のことを気にかけています.しかしほとんどの皆さんにはもう古い話でしょう.そうであれば,この手紙を読む必要はありません.既に次の何かに挑戦していらっしゃることだと思います. でも,また気にかけている方,ようこそ.ついに私は一つの考えに至りました. おにぎりの活動中,片親,両親をなくした子供達が学校で授業についていけないという記事を読み,それがなかなか頭を離れませんでした.私が子供達への支援を固執していたことを覚えていらっしゃる方々もいるかもしれません. 私は教育こそが唯一世界を良くする可能性のあるものだと信じています.教育さえしていればいいというわけではありませんが,私には教育なしでは未来を見ることが難しいのです.しかし言うのは簡単,実際に何をしたらいいのか長いことわかりませんでした.数ヶ月前に,私は同じような考えを持ち,しかし,方法を持っている人達の活動を知るに至りました.彼らは既にそのためのシステムを作成し,世界の誰もが無料で利用することができます.しかし,彼らは助けを必要としています. その組織はカーンアカデミーと言います.その趣旨は,次のようなものです.「カーンアカデミーは現在その使命を実行中の組織です. 我々は営利企業ではありません. 世界レベルの教育を誰にでも, どこにでも無料で提供することによって教育そのものをよりよくすることが我々の目的です.」私はこのシステムを利用して4ヶ月ほどですが,とてもすばらしいと思います.今,私はここで生物学,歴史,そして数学の授業をとってほぼ毎日学んでいます.ただ一つ残念なことは,英語のシステムしかないことです.しかし,先月からこのサイトの翻訳活動を誰もが協力できる環境が整いました. このシステムを利用している人達は何百万人を越えています.このシステムが日本やドイツの子供達も利用できたらいいと思いませんか.私にとってはこのシステムが英語であるが故に利用できないというのは悲しいことです.私はかつでの Berlin で語学を学んでいた友人が,翻訳によって人々がより良く理解できることのすばらしさを言っていたことを羨しく思い

Fascist hunter

Kilgore Trout ほど有名ではないが,売れないことに関してはおそらく同等の友人が書いた小説に「Fascist hunter」というものがある. Umaya は Fascist hunter である.Fascist hunter は「真のFascism」と呼ばれる人々をみつけ逮捕する賞金稼ぎである.真のFascistたちをみつけることは困難である.通常彼らは普通の市民と見分けがつかない.それに手を焼いた各国政府は真のFascist達とその組織に賞金をかけている.真のFascistは組織立っているらしい.Umaya の世界では人々は生存時間に税金を払う必要があり,支払いがとどこおると,suspend されてしまう.ただし,5年に1年は税金を収める必要がない.彼は一度事業に失敗し,4年間冷凍睡眠させられていた. 彼は自己の幸福の追求のために,手っ取り早い収入として,危険はあるがハンターとなることを選んだ.ハンターたちは思想強化装置を脳に埋めこむ必要がある.なぜなら,真の Fascist 達は洗脳をすると信じられているからである.ハンターのうちで真の Fascist 達の仲間になるものが絶えない.この装置は,個人の自由と個人の幸福の権利こそが最重要なものであるということを脳に感じさせ,洗脳に抵抗することができる. 真のFascistたちは,普通の市民に見えて,時に市民を殺害することがある.今回犠牲になったのは,巨大電力会社の役員と農作物の種を生産するバイオ会社の主任研究者である. Umaya は苦労の末,真のFascist の一員と思われる Leuko という医師に接触することに成功する.彼は身分をいつわり,真のFascist に興味のあるふりをしている.Leuko とその友人達はなかなか正体を示さない.Leuko たちは,学校を尋ね子供達に生物学を教えたりしている.Umaya は一度,Leuko の公開授業に呼ばれる.Umaya は彼らが公開の授業で何か洗脳をしていないだろうかと疑う.授業では細胞の増殖の話がある.子供達は興味深く Leuko らの話を聞いている.細胞はあまりに増殖すると,増殖を自分で抑制したり,あるいは自分自身に異常をみつけると Apoptosis という自殺をする.それによって他の健康な細胞を生かすのである.細胞自身が自分

選択されない男

Kilgore Trout ほど有名ではないが,売れないことに関してはおそらく同等の友人が書いた小説にこんなものがある.SF なのかロマンなのかちょっとわからない.タイトルは「選択されない男」である. 主人公はそこそこ成功しているビジネスマンである.しかし,彼は見た目には魅力的であるが,女性に関してはうまくいった試しがない.実は母親も彼の姉妹達も彼とは距離を置いていた.  ビジネスの世界での成功はあまり彼に喜びをもたらさない.何が彼に喜びをもたらすのか,様々な趣味を試し,世界を見てまわり,結局彼の町に戻ってきて考えたのは,子供に何かを教えるということだった.彼は教育以外に世界を良くする方法をみつけることができなかったのだ. 彼は彼のビジネスをやめ,彼の財産をはたいて小さな学校をつくる.彼は彼の夢を追いながら,それを共有してくれるパートナーを探すが,やはり上手くいかない.彼が素敵だと思った女性は常に同じ答えを彼に返す「あなたは素敵で,私はあなたを好きだけれども,それは友達としであって,人生を共有するのは何となく正しいことではないと思うの.」  ある日彼は Berlin の白熊の話を目にする.Knut という熊は母親から見捨てられる.また,複数の雌熊と暮らすが,つがいをつくることはなかった.その熊が溺れて死に,彼は脳の病気であったらしいということがわかる.ある動物学者は私見としてではあるが,これが原因で母熊から見捨てられ,雌熊もつがいをつくらなかったのではという仮説を述べていた.  彼はそれを見てあることを思う.彼も脳の病気を持っている.女性達はそれを感じるのだ.彼は自分の子供を持ち,その子供に世界を教えることを夢見ていたが,それがかなわないと考える.そして,ある日,部屋を黒いテープで密封して死んでしまった. この話における選択とは natural selection である.natural selection で選択されない男の話である.概要では上手く伝えられないが,主人公の苦しみは,誰にも受け入れられないまま生きることの苦しみであった.主人公の脳の問題は特殊で,女性達はそれを直感的に感じてしまうのだ.彼の魅力は認めているが,ただただ「何か正しいことではない」と感じるのだ.彼は人類のために生きるが,自然選択からは外されている.これは思考実験

記憶漏れ

Kilgore Trout ほど有名ではないが,売れないことに関してはおそらく同等の友人が書いた SF 小説にこんなものがある.ここに書かなければおそらく誰も知らないままであろうから,本人の許可を得て概要をここに記す.本のタイトルは「記憶漏れ」である. この小説の主人公は,生まれかわりを研究している.その世界では生まれかわりと呼ばれているが,実際には記憶の共有であることがわかってきた.主人公は二人の過去の記憶を持つ人もいることを発見する. ある日,主人公自身が,自分の娘と一部の記憶を共有していることに気がつく.つまり記憶の共有は過去の人間である必要はない.ある日,彼の妻と娘が宇宙飛行中に事故にあう.娘との最後の記憶の共有は彼に一つの仮説を与える.それは世界が現実の世界ではなく,仮想世界のシミュレーションであるというものである.悲しみの中,他人からは狂ってしまったと思われながら,彼は,この世界のシミュレーションに何らかのバグがあり,それが人の記憶のリークとして観測されるというものをつきとめ,それを利用して娘と妻をとり戻そうとする. 仮想世界についてはいろいろな SF がある(魔法が使えるシミュレーション世界や,タイムマシンが使えるシミュレーション世界など)が,生まれかわりはシミュレータのバグであるというのは面白いと思った. This work is licensed under a Creative Commons Attribution 3.0 Unported License .